サーモグラフィとは? 赤外線で温度を“見える化”する仕組みと活用例
サーモグラフィ(赤外線サーモグラフィ)は、赤外線カメラを使って物体の温度分布を可視化する技術です。
人の目では見えない熱の状態を、色でわかりやすく表示できることから、産業や安全管理など幅広い分野で注目を集めています。
本記事では、サーモグラフィの仕組み、メリット、そして具体的な活用例をわかりやすく解説します。
サーモグラフィとは
サーモグラフィ(赤外線サーモグラフィ)は、人の目では確認できない「熱の変化」を色で直感的に表示することで、異常の兆候を早期に発見し、トラブルを未然に防ぐことが可能になります。
すべての物体は温度を持つ限り赤外線を放射しています。
サーモグラフィはこの特性を利用し、設備・建物・インフラ・人体など、あらゆる対象の温度状態をリアルタイムで把握します。
非接触で安全に測定できるため、稼働中の設備や高温環境でも作業を止めることなく点検できる点が大きな強みです。
近年では、製造業における予知保全、建物の省エネルギー診断、防災・セキュリティ対策、交通インフラの高度化など、幅広い分野で導入が進んでいます。
単なる「温度測定ツール」ではなく、コスト削減・安全性向上・業務効率化を同時に実現するソリューションとして、その価値が再評価されています。
赤外線とは? なぜ熱が“見える”のか

赤外線は、人間の目に見えない電磁波の一種で、可視光よりも波長が長い特徴を持っています。
物体は絶対零度(−273.15℃)以上であれば赤外線を放射し、高い温度ほど多くの赤外線を放出します。
この性質を利用し、サーモグラフィカメラは対象から放射される赤外線を検知し、それを温度データとして画像化します。
肉眼では見えない“熱の世界”を、赤、黄、青などの色で表現することで視覚化できるのがサーモグラフィの大きな特徴です。
温度の高い箇所は赤や白、低い箇所は青や黒で表示されるのが一般的で、これにより温度分布を直感的に把握できます。
サーモグラフィカメラの仕組み

・物体から赤外線が放射される
・カメラが赤外線を検知
・センサーで電気信号に変換
・温度分布を熱画像として表示
このようにサーモグラフィカメラは非接触で温度を測定できるため、高温設備や危険箇所でも安全に点検を行うことが可能です。
サーモグラフィのメリット
● 非接触で広範囲の温度測定が可能
従来の温度計は一箇所ずつ計測する必要がありますが、サーモグラフィカメラは視野全体の温度分布を一瞬で撮影可能です。 これにより、広い範囲の異常熱を一度にチェックできます。
● 暗闇や光の影響を受けない
赤外線は光源の有無に関わらず放射されるため、夜間や暗所でも安定して温度情報を得られます。可視光カメラに比べて、光の有無に左右されない点が強みです。
● 視界が悪い環境でも役立つ
煙や霧などの視界悪化条件でも、赤外線はある程度透過するため、煙に包まれた場所でも熱源を検出できます。これは防災や救助活動で特に有効です。
サーモグラフィの活用例
サーモグラフィは多岐にわたる分野で活用されています。以下は代表的な利用シーンです。
🔌 設備・機器点検
電気設備や機械部品は、異常が発生する前に温度が上昇することが多いため、サーモグラフィによる予知保全(異常発熱の検出)に最適です。
過熱による故障リスクを未然に防ぐことができます。
🏗 建築・インフラ診断
建物の断熱不良や気密性の問題、結露箇所などは熱画像から明確に把握できます。
これにより省エネルギー化や快適な居住環境の改善にもつながります。
🚨 安全・防災用途
消防や救助活動では、暗闇や煙の中でも要救助者や火元の位置を特定するためにサーモグラフィカメラが活躍します。
可視光が使えない状況でも、熱情報で状況を把握できます。
🚗 交通・監視システム
サーモグラフィは交通の監視や安全管理にも応用されています。
夜間の事故検出や衝突回避支援、歩行者検知など、都市インフラの高度化に貢献しています。
赤外線カメラとサーモグラフィカメラは同じ?
しばしば「赤外線カメラ」と「サーモグラフィカメラ」という言葉が混同されます。
赤外線カメラは赤外線を利用して撮影するカメラ全般を指す用語で、その中でも温度情報を可視化できるものが「サーモグラフィカメラ」です。
用途や仕様によって使い分けられる場合もあります。
サーモグラフィと接触式温度計の違い
| 項目 | サーモグラフィ | 接触式温度計 |
|---|---|---|
| 測定方法 | 非接触 | 接触 |
| 測定範囲 | 面 | 点 |
| 安全性 | 高い | 条件あり |
まとめ
サーモグラフィは、赤外線を利用して温度分布を可視化する技術です。
非接触・広範囲・暗所対応といった特長により、設備点検や建物診断、防災分野などで重要な役割を果たしています。
赤外線サーモグラフィを正しく理解し活用することで、安全性と効率の向上が期待できます。
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