屋根の雪かきのコツは?
屋根の雪かきは危険が伴う作業です。
この記事では、そんな屋根の雪かきを安全に行うコツについて解説していきます。
屋根の雪かきは危険が伴う作業
屋根の雪かきは、冬の暮らしを安全に維持するために欠かせない作業のひとつです。
しかしその一方で、毎年のように転落事故や死亡事故が発生している、非常に危険性の高い作業でもあります。
地上での雪かきと同じ感覚で行ってしまうと、大きな事故につながりかねません。
屋根の上は足元が不安定なうえ、高所での作業となるため、少しの油断や判断ミスが命に関わる結果を招くこともあります。
それでも、積雪の状況によっては屋根の雪かきを行わなければならない場面があるのも事実です。
なぜ屋根の雪かきが必要なのか
屋根の雪かきが必要とされる最大の理由は、建物への負担を軽減するためです。
雪は見た目以上に重く、湿った雪になると1㎡あたり数十kg以上の重さになることもあります。
これが屋根全体に積もり続けると、屋根材や梁、柱などに大きな負荷がかかり、建物の劣化や破損につながる可能性があります。
また、雪が長期間屋根に残ることで、屋根材の隙間から水分が侵入し、雨漏りや内部腐食の原因になることもあります。
特に、古い住宅や耐雪設計が十分でない建物では、積雪を放置するリスクは決して小さくありません。
さらに注意したいのが「落雪被害」です。
屋根に積もった雪が一気に滑り落ちると、通行人や駐車中の車、カーポート、物置などを直撃する恐れがあります。
軒先にできる雪庇(せっぴ)が大きくなるほど、落下時の危険性も高まります。
こうした理由から、状況によっては屋根の雪かきが必要不可欠となるのです。
なぜ屋根の雪かきは危険なのか
屋根の雪かきが危険とされる理由は、大きく分けていくつかあります。
まず第一に、「高所作業」である点です。
屋根の上では、転倒=転落事故に直結します。
たとえ2階建て程度の高さであっても、転落すれば大きな怪我につながり、最悪の場合は命を落とす危険もあります。
次に、雪質による危険性です。
気温が低いときの軽い雪であればまだしも、日中の気温上昇や雨を含んだ雪は非常に重く、滑りやすいです。
この状態の雪は足元を取られやすく、バランスを崩す原因になります。
さらに、屋根材の種類も影響します。
金属屋根やスレート屋根は特に滑りやすく、雪と一緒に体が滑落してしまう事故が多いです。
屋根の勾配が急であれば、その分リスクも高まります。
屋根の雪かきを行うかどうかの判断基準
危険を伴う作業だからこそ、「本当に雪かきが必要なのか」を見極めることが重要です。
次のような状況が見られる場合は、雪かきを検討する目安になります。
・屋根に大量の雪が長期間残っている
・軒先に大きな雪庇ができている
・雨樋が雪の重みで変形している
・気温上昇や雨予報があり、落雪の危険が高い
一方で、少量の積雪で無理に作業を行う必要はありません。
「今はやらない」という判断も、安全を守るためには大切です。
安全に屋根の雪かきを行うための基本ポイント
ここからは、安全に屋根の雪かきを行うための基本ポイントについて解説していきます。
必ず複数人で作業する
屋根の雪かきは、必ず2人以上で行いましょう。
屋根の上で作業する人と、地上でハシゴを支えたり周囲を確認したりする人が必要です。
緊急時にすぐ対応できる体制を整えることが重要となります。
命綱・安全帯を必ず使用する
慣れている人でも、命綱なしでの作業は非常に危険です。
命綱は「使わない前提」ではなく、「万が一のための保険」として必ず装着しましょう。
雪をすべて下ろさない
屋根材が完全に露出すると、かえって滑りやすくなります。
作業の際は、10cm程度の雪を残すことで、滑り止めとして機能させることが可能です。
落雪場所の安全確認を徹底する
落とした雪は非常に重く、勢いがあります。
人や車がいないかを必ず確認し、声を掛け合いながら慎重に作業を進めましょう。
無理をしないという選択も重要
屋根の雪かきは、体力的にも精神的にも負担の大きい作業です。
高齢の方や不安を感じる場合は、無理に自分で行う必要はありません。
専門業者に依頼することは、安全を最優先に考えた合理的な判断です。
また、雪止め金具の設置など、根本的な対策を検討することも事故防止につながります。
まとめ
屋根の雪かきは、建物や周囲の安全を守るために必要な作業である一方、常に大きな危険が伴います。
重要なのは、正しい知識を持ち、無理をせず、安全対策を徹底することです。
少しでも危険を感じたら、「やらない」「任せる」という選択肢も含めて判断しましょう。
安全を最優先に行動することが、冬の事故を防ぐ最大のポイントです。
おすすめの高所用スコップ













