食品工場における防鼠対策のコツは?

食品工場では、切っても切り離せないのが防鼠対策です。
この記事では、そんな食品工場での防鼠対策について解説していきます。
防鼠対策の重要性

食品工場における防鼠(ぼうそ)対策は、単なる衛生管理の一環ではなく、企業の信頼性とブランド価値を守るための重要な取り組みです。
ネズミの被害は、消費者にとっての「安全・安心」を脅かすだけでなく、工場運営にも甚大なダメージを与える可能性があります。
ネズミによる具体的な被害とは?

ネズミは極めて活動的で、あらゆる場所に入り込む厄介な生物です。
ここからは、そんなネズミの食品工場における具体的な被害について解説していきます。
異物混入事故
ネズミの体毛、糞尿、さらには死骸までもが製品に混入するリスクがあり、出荷後に発覚すれば回収・謝罪などの大問題に発展します。
食中毒の原因
ネズミはサルモネラ菌やレプトスピラ菌など、さまざまな病原菌を媒介する生物です。
これらが食品を通じて人に感染することで、重大な健康被害を引き起こす恐れがあります。
機械や設備への損害
ネズミは歯を削るためにケーブルや樹脂部品をかじります。
これにより機械の誤作動や火災が発生することも少なくありません。
ひとたび事故が起きれば、生産停止や補修費用など企業にとって大きな損失になります。
企業イメージとブランドへの影響
たとえ実害が出なかったとしても、SNSやメディアで「ネズミが出た」といった情報が拡散されれば、企業の信頼性やブランドイメージは一瞬で傷つきます。
食品を扱う企業にとって、「衛生管理が不十分」というイメージがつくことは致命的です。
法的・衛生的な観点からも防鼠対策は必須

日本では、食品衛生法に基づき、HACCPに沿った衛生管理が求められています。
その中には、「ネズミ等の防除」も明記されており、具体的には次のような対策が求められます。
・建物への侵入を防ぐ構造(隙間封鎖)
・モニタリング(捕獲トラップの設置と定期点検)
・清掃・整理整頓による餌場の排除
・発生状況に応じた駆除計画の策定と記録の管理
このように、防鼠対策は衛生管理の一部であると同時に法的にも義務付けられている重要項目です。
防鼠対策のポイント

食品工場における防鼠対策は、品質管理や衛生管理の根幹を支える極めて重要な取り組みです。
ネズミは異物混入や病原菌の媒介、さらには機械設備への物理的損傷まで引き起こすため、被害が拡大すれば企業の信頼性やブランド価値にまで悪影響を及ぼしかねません。
ここでは、そんな防鼠対策の要となる2つの視点について解説します。
ネズミの発生原因と種類を特定する
防鼠対策の第一歩は、工場内外でのネズミの発生原因と出現しているネズミの種類を正確に把握することです。
食品工場にネズミが発生する原因は、主に「工場内の環境に誘引されているケース」と「外部から侵入してくるケース」に分けられます。
工場内に誘引要因があるケースでは、食品の保管状態や作業後の清掃状況が関係してきます。
例えば、パンや米、小麦などを扱う工場では、わずかにこぼれた粉や原料がネズミを呼び寄せることが少なくありません。
また、発酵食品や残渣のにおいが強い現場では、餌源として認識されやすくなりネズミが定着しやすくなります。
一方で、外部から侵入するパターンも少なくありません。
入荷口や搬出口などの開放部分、老朽化した排水管のすき間、壁面の隙間などネズミが侵入可能な経路があれば、そこから建物内に入り込む危険があります。
都市部であればドブネズミやクマネズミ、郊外の自然に近い工場ではハツカネズミが多く見られる傾向があるため、工場の立地によっても警戒すべき種類が異なるでしょう。
防鼠対策を講じるには、まず現地調査を行い、フン、足跡、咬害跡などからネズミの種類と活動場所を特定します。
種類によって好む環境や侵入経路が異なるため、対策を講じるうえでの初動として極めて重要なステップです。
定期的に防除(駆除と予防)を実施する
ネズミは繁殖力が非常に高く1匹でも侵入を許せば、短期間で数十匹、数百匹にまで増える可能性があります。
したがって、「発生したら駆除する」という対応では不十分であり、むしろ「発生させない」「侵入させない」という視点での定期的な予防措置が不可欠です。
そこでまず基本となるのは、月次や週次での点検とモニタリングです。
粘着シートやトラップを使用してネズミの痕跡をチェックし、フンの有無、通行ルート、被害箇所の有無を確認します。
もしわずかな痕跡でも見つかった場合は、ただちに捕獲と封鎖措置を行い被害が拡大する前に食い止めます。
加えて、侵入経路の封鎖も極めて重要です。
建物のすき間やひび割れ、排水管の隙間、搬入口の隙間などネズミが通れる直径1.5cm以上の穴はすべてふさぐ必要があるでしょう。
また、整理整頓と清掃の徹底も防鼠対策の基本です。
ゴミや食品残渣が放置されていると、ネズミの餌場・巣作りの場となり被害の原因となってしまいます。
さらに、食品工場では段ボール類がネズミの潜伏・移動手段となることもあるため、保管場所や廃棄タイミングにも注意が必要です。
段ボールは極力短期間で処分し、保管する際も床から浮かせて通気を確保し、ネズミの隠れ場所を作らない工夫が求められます。
まとめ
ネズミ対策は、単なる「駆除」ではなく、「発生させない環境づくり」と「早期発見・即対応」が鍵を握ります。
食品工場の安全性と製品の信頼性を守るためにも、日常的かつ計画的な防鼠管理を徹底していくことが必要です。
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