入浴介助での頭の洗い方は?
入浴介助での正しい頭の洗い方はどのような洗い方なのでしょう。
この記事では、そんな入浴介助での正しい頭の洗い方について解説していきます。
入浴介助における洗髪の重要性とは?
入浴介助で行う洗髪には、単に髪をきれいにする以上の大切な役割があります。
特に高齢者や自力での洗髪が難しい方にとっては、日常生活の快適さや健康状態にも深く関わる重要なケアのひとつです。
ここからは、そんな入浴介助における洗髪の重要性について解説していきます。
清潔保持と不快感の予防
頭皮や髪を清潔に保つことは、 フケ・かゆみ・においの発生を防ぐ最も基本的な目的です。
寝たきりの方や身体が不自由な方は、汗や皮脂が頭皮に残りやすいため清潔保持が特に重要になります。
定期的な洗髪は、日々の快適さを守るために欠かせません。
頭皮トラブルの予防
適切な洗髪は 頭皮の血行を促進し、乾燥や炎症などのトラブルを防ぐ働き があります。
高齢者は皮脂の分泌が低下するため頭皮が乾燥しやすく、かゆみや炎症が起きやすい傾向があります。
洗髪とともに優しく頭皮をケアすることで、こうしたトラブルの予防が可能です。
気分転換・リラクゼーション
洗髪によって髪や頭皮がさっぱりすると 気分がリフレッシュし、心理的にも安定しやすくなります。
洗髪時に行う軽いマッサージはリラックス効果があり、特に認知症の方には不安や興奮を和らげる効果が期待できます。
入浴介助の中でも、精神的なケアとして重要な工程です。
信頼関係の構築
丁寧な洗髪は、被介助者にとって 「大切に扱われている」「安心できる」 と感じられる時間にもなります。
心地よい洗髪体験は、 介助への協力的な姿勢を引き出し信頼関係を深めるきっかけです。
入浴介助全体の流れをスムーズにするうえでも重要な意味を持ちます。
入浴介助における洗髪のコツ
入浴介助における洗髪のコツは、どのようなものなのでしょう。
ここからは、そんな入浴介助における洗髪のコツについて解説していきます。
無理のない姿勢を保つ
洗髪時は、要介護者の首や肩に負担がかからない姿勢づくりが基本です。
椅子に座る場合は背もたれやタオルで支え、ベッドで洗髪する場合は洗髪台や防水シートを使用し、頭部が安定するよう調整します。
首の角度は30度程度が目安で、無理のない姿勢を保つことで疲労を軽減することが可能です。
湯温と水の扱いに注意
お湯の温度は 38度前後 が最適です。
まずは頭全体をぬるま湯で予洗いし、シャンプーが刺激にならないよう準備します。
洗髪中は、目や耳に水が入りやすいため、シャワーヘッドの角度を工夫したり、軽く手でガードすると安心です。
指の腹を使ってやさしく洗う
頭皮を傷つけないために、爪を立てず 指の腹で円を描くように 洗うことがポイントとなります。
後頭部 → 側頭部 → 前頭部の順に進めるとスムーズです。
耳の後ろや首筋などは汚れが溜まりやすいので、やさしく丁寧に洗います。
また、軽い頭皮マッサージは血行促進にも効果的で、リラックスにもつながるでしょう。
すすぎは丁寧に洗い残しゼロを意識
シャンプーが残ると皮膚トラブルの原因になります。
42度前後のやや温かいお湯を使用し、髪の根元から毛先までしっかりすすぎましょう。
特に耳の後ろ・生え際・首元は念入りに流します。
声かけで安心感を与える
洗髪中の「温度は大丈夫ですか?」「痛くないですか?」などの声かけは、要介護者に安心感を与え緊張の緩和にもつながるでしょう。
洗髪は身体的なケアと同時に、良好な関係づくりの時間でもあります。
入浴介助における洗髪でよくある質問
ここからは、入浴介助における洗髪でよくある質問について解説していきます。
洗髪の頻度はどのくらいが適切?
介護では“毎日行うべき”という固定観念にとらわれず、その日の頭皮の状態を見て判断する柔軟さが大切です。
・汗をかきやすい人、脂っぽさが気になる人 → 2〜3日に1回〜毎日
・乾燥しやすい人 → 週2回程度
・寝たきりの方 → 週2〜3回を目安
「臭い」「かゆみ」「ベタつき」といったサインを見逃さず、季節に合わせて調整する視点も重要です。
認知症の方が洗髪を嫌がる場合の対応は?
入浴介助の中でも認知症の方の洗髪は特に難しく、嫌がる理由は「冷たさが怖い」「水や音に驚く」「何をされるかわからない」など人によって違います。
無理に進めると恐怖や拒否が強まり、逆効果になることも少なくありません。
効果的なのは、次のような安心を積み重ねる介助です。
・何をするのか短い言葉で説明する
「今から少しだけお湯をかけますね」など、先が見えると不安が軽減します。
・機嫌の良い時間帯を選ぶ
・好きな香りや音楽を使う
香りの好みや、落ち着ける音楽があると気持ちが切り替わりやすい。
・どうしても難しい日はドライシャンプーに切り替える
ポイントは、できない日は無理をしないことです。
恐怖体験を避けることで、次回の洗髪がスムーズになります。
お湯の温度や水圧の調整はどうすべき?
洗髪の快適さは、実は「温度」と「水圧」でほぼ決まります。
特に高齢者は温度感覚が鈍くなりやすく、ちょっとした冷たさでも不安を感じてしまうことが少なくありません。
・お湯の温度:38〜40℃が基本
・介助者の手で必ずチェックすることが大切。
・水圧:弱めに設定し、シャワーヘッドは10〜15cm離す
強すぎると驚きや恐怖を招き、弱すぎるとすすぎ残しが出ます。
これらの配慮をするだけで洗髪への抵抗感が大きく減り、安心して身を任せてもらえるようになります。
まとめ
入浴介助における洗髪は、重要なケアのひとつです。
今回紹介したコツを参考に、洗髪を行ってみてはいかがでしょう。
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