歩行補助器の種類と正しい選び方は?
怪我や事故の影響で通常の歩行が困難になったり、病気や加齢で歩行の補助が必要になることもあるでしょう。
この記事では、そんな時に強い味方になってくれる歩行補助器の種類と正しい選び方について解説していきます。
歩行補助器とは
歩行補助器とは、バランスの不安定な人に対して足だけでなく身体も一緒に支えるための器具です。
歩行補助器を使うことで身体を支える面積を広くすることができ、足だけの歩行よりも安定した歩行を行うことができます。
そのため歩行補助器は、第3の足とも言えるでしょう。
歩行補助器を使うメリット
歩行補助器を使うことによりどんなメリットがあるのでしょう。ここからは、歩行補助器を使うメリットを解説していきます。
足にかかる負担軽減
歩行補助器に体重の一部を預けることで足にかかる負担を軽減することが可能です。
足腰に痛みがある、筋力が低下しており歩行が不安定な場合には歩行補助器を使うことで普通に歩くよりも比較的楽に歩くことができるでしょう。
安定して歩くことができる
高齢になったり、病気による後遺症が残ったりすると運動機能や神経の反応速度が低下するためふらついたり転倒しやすくなってしまいます。
歩行補助器を使うことで体重を支えてくれる面積が広くなるため、姿勢や歩行が安定します。
歩行補助器の種類
歩行補助器は、大きくケイン、クラッチ、歩行器の3つに分けられます。それぞれ解説していきます。
ケイン
ケインとは手だけで身体を支える杖のことです。ケインの中でも一本杖と多点杖があり、それぞれ安定性が変わってきます。
一本杖は、手で握る部分がT字のものが代表的で他にも握りの部分がC字のものなど様々な形をした杖があり好みに合わせて選ぶことが可能です。
また、一本杖では歩行の際バランスが取りづらいという場合には多点杖がおすすめです。
多点杖は、持ち手の部分が1つで地面に接地する部分が3から4つに分かれています。接地面積が広いため安定性に優れています。
体重をかけても倒れにくいため、立つ姿勢が良くない人が歩行訓練をする際にもおすすめです。脳卒中の後遺症で片麻痺になってしまった場合の歩行訓練や変形性股関節症などの歩行訓練の際にも使用されます。
クラッチ
クラッチは、松葉杖やロフストランド杖といった種類の杖があります。
松葉杖は、足を骨折した際にお馴染みの杖です。脇と手で支えるクラッチの代表であり、怪我に対応する目的で最も多く使われている歩行補助器です。
対してロフストランド杖の方は聞き馴染みがない人が多いかと思います。ロフストランド杖は、脇で支える松葉杖とは違い前腕と手で体重を支える形の杖です。
握力が十分でない人は、ケインよりもクラッチの方が安定すると言えるでしょう。
歩行器
4脚のフレーム構造でできている歩行補助器であり、他人の支えがなくても安定して自立することが可能です。腕の力が弱くバランスも取りづらい人が使うことが多いです。
手で持ち上げて少しずつ前へ移動させ、杖のように付きながら使います。
これ以外にも、歩行車という車輪が付いたタイプの歩行器があり持ち上げる必要がないため比較的楽に歩行することが可能です。
このタイプの歩行器は、不意な動きでバランスを崩すことのないように制御機能がついていると安心でしょう。
また、歩行車に似たシルバーカーというものがありますがこちらは比較的歩行機能が高い人が使うものになっています。
歩行補助器を選ぶポイント
歩行補助器は自分の状況を考えて最適なものを選ぶ必要があります。間違った選び方をすると、逆に怪我をしてしまうこともあるでしょう。そうならないためにもここからは、最適な歩行補助器を選ぶポイントについて解説していきます。
使う場所や目的で選ぶ
歩行器はリハビリに使われることも多く、屋内の段差がない場所で使うことが好ましいです。歩行車の場合は小さな段差程度であれば越えられますが、階段がある環境での使用には向きません。
日常的に階段のある場所で使うのであれば、ケインやクラッチを選ぶのが良いでしょう。
自分自身の状態に着目する
自分自身が歩行をする時にバランスを保つ力や腕の力によって選ぶべき歩行補助器は変わってきます。
基本的に腕の力が強くバランスも比較的取れる人であれば、シルバーカーと呼ばれるカゴの付いた手押し車のような歩行補助器が良いです。
反対にバランスが悪く腕の力も弱い人は、歩行器や歩行車が良いとされています。
バランスは良いけど腕の力が弱いという人であればロフストランド杖が良いですし、バランスは悪いけど腕の力がある人であれば多点杖がおすすめです。
高さに注目する
歩行補助器は、自分自身の状態に合わせて高さを調節することが大切です。
体重を支える時に腕を伸ばせる状況なのか、肘を曲げた状態にしかならないのかでも合っている高さや向いている器具は違ってきますので専門家に相談すると良いでしょう。
まとめ
歩行補助器の種類は様々です。自分の状況をしっかりと把握し、医師や専門家に相談して自分に合った歩行補助器を使うようにしましょう。
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