冬だからって油断してない?寒くても起きる「ウイルス性」の食中毒にご用心!
突然ですが、問題です。
1年の中で、最も食中毒の発生件数が多い月は何月でしょうか?
チッチッチッチッチッチッチ チーン!
さて、みなさんは何月を思い浮かべましたか?
6、7、8月を思い浮かべた方が多いのではないでしょうか?
ではまず、こちらのグラフをご覧ください。
(via 農林水産省ホームページ)
こちらは平成30年の1年間の食中毒発生件数を月別にまとめたグラフです。
意外な事に、なんと一番多いのは4月なんです。
食中毒と言われて思い出す方が多い6、7、8月は、上位3位には入っていないのです。
以前は、寒い季節には食中毒は発生しにくいと思われていました。
実際、グラフをよく見てみると「細菌性」の食中毒に関しては
従来の「食中毒」のイメージである6、7、8月がかなり多いことがわかります。
しかし現在は寒い季節の方がかかりやすい「ウイルス性」の食中毒もあることがわかってきている上、暖房設備の進化により冬でも建物内は暖かいので、細菌も増えやすいことがわかってきています。
そのような経緯がから、食中毒の季節は梅雨から夏にかけて、という常識は通用しなくなってきているんです。
食中毒には先ほども触れたようにいくつか種類があり、カンピロバクターや腸管出血性大腸炎などの細菌性のもの、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性のもの、更にフグ毒や毒キノコ、トリカブトなどの自然毒によるもの、洗剤や農薬などの化学物質による化学性のものなどがあります。
症状としてはどれも下痢や嘔吐などが主な症状で、これによって脱水症状が起きてしまい、
変化に弱い高齢者や子供、持病のある方は重症化しやすく時に命に関わることもあります。
先ほどのグラフの発生件数を改めて見てみますと、
発生件数の多さは4月に次いで5月、9月、6月…と続いていきます。
「冬」と捉えられる12月~2月にかけてはどの月も発生件数は下から数えた方が早い順番となっていますが、この発生件数を「ウイルス」だけに絞って見てみるとどうでしょうか?こちらのグラフには詳しい数字が記入されていないのですが、12月~3月が上位となっているのは間違いなさそうです。
冬の食中毒の主な原因であるウイルスの代表格と言えば、やはりノロウイルス。
感染力が非常に強いことが特徴で、感染規模も拡大しやすいウイルスです。
消毒方法は
・85℃以上で1分間以上の加熱
・次亜塩素酸ナトリウムでの消毒
が効果的であることがわかっています。
また、感染は多くの場合が人の手を介して拡大しますので、手洗いが非常に重要となってきます。
石鹸を使用してのこすりあらいはもちろんですが、
手洗い後の手拭きは共用タオルは使用せず、ペーパータオルなどを使い毎回タオルを交換するようにしましょう。
また、手洗いの動作の中で、盲点なのが水道の蛇口です。
蛇口は洗う前の手で触れている部分ですので、ペーパータオル等を使い蛇口を閉めるようにすると良いでしょう。
もし手洗いが正しくできているか不安な場合は、こんなセットもおすすめです。
専用の蛍光ローションを塗った後ハンドロープで普段通りに手を洗い、
ランプで照らすと洗い残しがわかるという手洗い確認セット。
この機会に、自分や家族がきちんと手洗いできているのか?を
確認しあってみるのはいかがでしょうか。
そして万が一ウイルスに感染している人のふん便、嘔吐物を処理する場合には
処理をする人自身への感染はもちろん、周囲への汚染拡大を防ぐため、
適切な方法で迅速、確実に処理を行うようにしましょう。
使い捨て手袋とマスク、エプロンは必須!
このようなセットが一家に一つあると安心です。
食中毒だけでなく、様々な感染症が心配なこの季節。
ご自宅や職場の感染症対策を今一度見直してみてはいかがでしょうか。